【スウェーデン】単発・短期の仕事

スウェーデン生活

Hallå! (スウェーデン語でこんにちは。英語のHelloです!)スウェーデンに引っ越して早9ヶ月が経ちました。相変わらずスウェーデン語学習に奮闘中のアラフォーです。

そして難しいながら、仕事探しにもチャレンジ中。現在、私は朝に日本企業向けのリモートワークをし、日中にフルタイムの現地採用を目指して就職活動をしています。そしてたまーに、近所のレストランでランチタイムに働かせてもらっています。さらに最近は介護の仕事も、短期で補欠要員のようなポジションですが始めました。

そこで今回は、それらの単発・短期の仕事について、私の経験を交えてご紹介します。

人脈づくりがより困難なスウェーデン

スウェーデンに引っ越してから思うのは、「デンマークより仕事さがしが大変かもしれない」ということ(あくまで個人の経験談であることご了承ください)。

スウェーデンもデンマークも、仕事探しにコネクションが大事と言われていますが、個人的にはデンマークの方が人との繋がりやすさを感じました。それぞれ現地のネイティブの人がどう違うと言うよりも、現地で出会う移民の方々に違いがあると思います。現実はもっと複雑かもしれませんが、簡単に区別するとすれば、デンマークには英語を話せる移民の方が多く、スウェーデンには英語でのやりとりが難しい移民の方が多い印象。

このような比較になったのは、デンマーク生活時代、私は学生として滞在していたことも関係するかもしれません。というのも世界中から集まる学生同士の共通言語が英語だったからです。ただ、それに加えて、語学学校で出会った人の多くが既に働いている社会人で、「職場では英語を使っているけど、デンマーク語をもっと話せたらデンマーク人の同僚とも円滑なコミュニケーションが取れる、またはより良い職に就けるだろう」と考えている人たちでした。そのため、お互いの就職活動についていろいろと話して情報交換ができました。それは仕事探しのモチベーションにも繋がりましたし、仕事を得るチャンスにも繋がりました。

スウェーデンに引っ越す直前は、同じイメージで特に語学学校をとおして情報交換をしたり人脈を広げていこうと考えていました。ところがいざ暮らしを始めてみると、日常生活ではスウェーデン人との出会いはまず少ない(特に同世代)。そして語学学校で出会う移民の方々のほとんどは英語が話せない。つまり情報交換できる人が非常に少ないのです。厳しいと思いつつも、少しでも英語ができる人、また自分と同じような求職者に出会った際には、積極的に就職活動の話をするようにしていました。

まずは補欠要員として現地での仕事をスタート

冒頭にもお伝えした通り、私は現在、たまーに近所のレストランで働いたり、短期ですが介護の仕事をさせてもらえることになりました。

早いところフルタイムの仕事を得たいのですが、スウェーデン人でさえ就職困難であることを聞くと、スウェーデン語が初級レベルの私は、どうやって労働市場で肩を並べることができるのかと不安になります。ただ焦っても変わらない現実なので、辛抱強く仕事の募集を探し続けたり履歴書を送り続けたりしなくてはなりません。ですから単発でも短期でも、自分を採用してくれた職場に感謝ですし、仕事を得られた自分に「頑張ってるね」と言ってあげたいです。

少しでも現地で仕事ができれば、スウェーデンの職場環境を学べます。また給料日になれば、給与明細がデジタルメールボックス(スマホの電子郵便受けアプリ)に届きます。現地で開設した銀行口座に給料が入ります。そうして少しずつスウェーデン社会の一員になってきたという感覚が、純粋に嬉しいですし、貯金を切り崩す生活から早く抜け出したいというモチベーションが上がってきます。

どう仕事を見つけたか

レストランの仕事をみつけたとき

まずはホテルの掃除・ベッドメイキングか、レストランの仕事がスウェーデン語習いたての私にはいいだろうと思っていました。また、すぐに見つかると思っていたのです。いずれもデンマークではほぼ常に需要がありましたし、現地語が話せなくてもできる仕事だったからです。そして私自身、デンマークでどちらも経験していたからです。ところがスウェーデンでは同じようにはいきませんでした。仕事の募集もすくなければ、履歴書を送っても返事がないのはざらでした。私がスウェーデンに引っ越したタイミングが夏の終わりというのも関係していたかもしれません。想像ですが、夏に働いていた人たちが秋も少し働いて、冬の閑散期になればシフトの枠も激減したのでしょう。

私のパートナーも、私が仕事探しに苦戦していることを周囲に話してくれていましたが、そこでもコネがあるようなチャンスはなかなか見つかりませんでした。そんな中、パートナーの職場と同じ建物に入っているレストランの求人広告を見つけました。私はひとまず応募をして、パートナーはその建物内で働く知り合いにそのレストランがどんな職場環境か聞いてくれました。その方は、話のついでに「〇〇と△△という2か所のレストランにも求人の問い合わせしてみるといいよ」という提案をくれたのです。そこで私は早速その2か所に履歴書を添付したメッセージを送りました。「こんな小さな町で、もう夏も終わったのに需要なんてあるのか」と正直、半信半疑でしたが、わざわざ「問い合わせしてみるといいよ」と言ってくれたその言葉にチャンスはゼロパーセントではないと感じました。

そしてなんと2つのうち1つのレストランから返事が!

「こんにちは!私たちのレストランに来てくれたら話ができるから、いつでもいいので、来てね」

と温かいお返事をいただいたのです。そこで伺う日を決めて、心臓バクバクで向かいました。当時は10月半ばごろ。レストランはランチタイムにブッフェを提供していて、閑散期のため週末だけ夕方にもレストランを開けている状況でした。レストランの女性オーナーは、

「私たちの料理は全部手作り。スウェーデンのクリスマステーブルって知ってる?これが毎年人気なんだけど、準備が大変なの。今年はトリュフチョコも作ろうと思っているんだけど、それを手伝ってくれる?あとときどきランチも手伝ってくれたら、うちの店がどんな感じかも分かるからいいかもね」

と言い、すでに仕事させてもらえるていで、会話がスタートしました。こうしておかげさまで11月から働けることになったのです。

介護の仕事をみつけたとき

スウェーデン語の語学学校 SFI で私たちのコースには1月から新しいコースメンバーも加わりました。そこでいつも顔を合わせるたびにニコっと挨拶してくれるタイ人女性がいました。あるとき、授業前に彼女と話すチャンスがあったので、簡単な自己紹介をし合ってから、仕事をしているかどうか聞いてみました。聞くと personlig assistent をしているとのこと。英語ではパーソナル・アシスタントで個人のアシスタントというわけですが、スウェーデンでは体が不自由な方個人の介護をする職種として、よく求人広告にもあがってきます。資格もいらないので、移民でも始めやすい仕事という印象があります。人のサポートが好きで、現地語さえできればチャンスがあります。またスウェーデン語がまだまだ初心者であっても、サービス利用者によっては介護可能な場合もあります。

私は冗談混じりで「空いている枠ない?私も働けるかな?」と笑顔でそのタイ人に聞いてみました。すると彼女は、

「この前辞めた人がいたんだけど、その枠は別の人が取ったばかり。でも私が1ヶ月タイに帰るから、その間もしかしたらできるかも?会社に連絡してみて」

と言ってくれました。私は早速会社のメールアドレスに連絡。履歴書と「SFI のクラスメイト〇〇さんからこの会社のことを聞いたのですが」というメッセージを添えて。コネ社会では「〇〇さんの紹介」などという言葉がとても大事になってきます。

そうして返事をいただき、面談に呼んでもらえました。タイ人のクラスメイトからこの面談者のスウェーデン語(ネイティブ)は早過ぎで聞き取りが大変と聞いていましたが、それは本当でした。たまに英語を交えましたが、基本的にはスウェーデン語で会話は進み、心配でしたが最終的にはその場で vikarie 、英語で substitute (代理) の要員として登録させてもらいました。あとでクラスメイトにも報告しながら面談を振り返りました。それから、クラスメイトの職場で責任者と、ユーザー(介護サービス利用者)と FIKA (フィーカ) を通じて、お仕事をいただけることになりました。このフィーカが2次面談のようなもので (※)、そこでお互いの相性を感じ取る必要がありました。お互いに拒絶反応のようなものがなかったので、なんとかやっていけると思います。まだトレーニングを受けたばかりで実際1人で介護をするとなるとどうなるかわかりませんが、頑張りたいと思います。

※一般的なフィーカについては過去の記事でお話ししています↓

どんな仕事か

レストランの仕事

2階建てで120席ほどあるそのレストランは基本、オーナーの他に2人のシェフのみで営業しています。夏場はオープンテラスの席も1階・2階両方にあるためバイトを雇って回していて、また閑散期でもパーティなどがある時はヘルプ要員を1〜2人呼んでいます。

私がクリスマスメニューの準備を手伝った時は、ひたすらトリュフチョコを作っていました。チョコでコーティングするガナッシュそのものは、すでにオーナーが作っていたので私はそれをひたすら丸め、チョコを溶かしてコーティング。1,000個〜2,000個くらい作ったでしょうか笑。「本当に手作りなんだな、こりゃ大変だわ」と思ったと同時に、そこにこのレストランが閑散期でも地元の人たちに愛される理由があると思いました。

それ以外は、基本的にお店が忙しくなると判断されたときに連絡が入り、ランチのブッフェを手伝います。お客さんの食べたあとのお皿を下げたり、ブッフェで足りなくなりそうなメニューをシェフに伝えたりすることがメイン。ときどき食洗機でグラスを洗ったりもします。また予想していないタイミングでお客さんから声をかけられることもありますし、一緒に働く方とのコミュニケーションも現地語メインなので、スウェーデン語の勉強にもなります!

介護の仕事

個人のお宅での介護の仕事は、ユーザーが何をどこまで自分でできるかで内容が異なると思います。

私の場合は、着替えや、車椅子からトイレやベッドに移動する時の介助、食事の準備や簡単な調理サポート、買い物、洗濯などがメインです。外出の際は、電動式の介助用車椅子にユーザーが座るので、介助者の負担はあまり大きくありません。また、ユーザーが立ったり、座る場所を移動する必要がある場合は、専用の介助用具があるので介助者はサポートする程度で体力はほとんど使いません。ただ、電動式の介助用車椅子の操作や、ユーザーの足を用具の正しい位置に置いたり、その用具自体を正しい位置に動かすときにテクニックが少し必要になります。心配する私に、同僚は「大丈夫、あと2〜3回働けば慣れるよ」と言ってくれました。

昔、私の祖母が生きていた頃は家族で介護を経験しました。祖母の要介護度が軽度だった時に、スウェーデンで知った介助用具があったらもう少し楽だったのかなとふと思いましたが、場所を取るので私の実家では現実的ではないなと思いました。日本と海外で利用する介助用具に違いがあるのは興味深いです。

そしてこちらがその介助用具ですが、日本にもあるのでしょうか?私の検索方法が悪いのか、それとも利用されていないか、日本語では見つけられませんでした。共通している介助用具がある一方で、体の大きさや国による生活の違いによって適切な介助用具というのがあるかもしれませんね。

立ったり、座る場所を移動する必要がある場合に使う専用の介助用具の使用例動画

まとめ

今回は、単発・短期の仕事について、私の経験談をお話ししました。

おまけの話として、最近、自宅アパートのキッチンフードの修理に来てくれた管理会社社員の1人がアメリカ人だったので、どう仕事を得たのか聞いてみました。スウェーデン人の奥さんの家族が、みんなで周囲に声をかけまくり、その人脈でスウェーデンで最初の仕事をゲットしたそうです。彼はアメリカから引っ越して15年ほどになるとのことで、久々に私と英語で話して違和感がすごいと言っていました。それだけこちらではほとんどスウェーデン語しか話していないとのこと。引っ越してから語学学校に通い始めたところ、「3ヶ月で仕事が見つかったから学校行くのはやめたんだ。スウェーデン語は職場で同僚から学んだよ」と言っていました。「やはりコネと語学力だよなぁ」と、ひしひしと感じたのでした。

さて、私の就職活動は現在進行形ですが、自分の「好き」で生計を立てたいという夢も持っています。簡単なことはひとつもなく、いつも試行錯誤でフラストレーションを感じることが多くストレスもたまります。でも一度きりの人生、私の好きな北欧をもう少しリラックスして楽しめるときが来ることを夢見て、健康に気をつけながらできるところまで頑張ります。

今回の記事も読んでくださった方、ありがとうございます。少しでも参考になりますように。自分の「好き」を大切に、できる範囲で頑張っていきましょう!

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