ワーホリ制度を使えなくてもデンマーク滞在に挑戦する方法

デンマーク滞在にむけて

Hallå! (スウェーデン語でこんにちは。英語のHelloです!)

引越し先のスウェーデンで現地語を勉強しながら日々奮闘しているアラフォーです。その前は2022年から約2年半、デンマークに住んでいました。デンマークには、どうしても(もう一度)住みたくて、ワーホリ以外の方法を模索しました。私には、ワーホリの選択肢は却下。なぜなら過去に利用したことがあるうえ、そもそも年齢的にもアウトだったからです。

本記事では、ワーホリ以外でデンマーク滞在に挑戦した私が、どんなふうにその他の選択肢を調べ、決断し、実行に移していったかについてお話ししていきます。デンマークが大好きで、いつか住んでみたいと考えている方や、憧れを抱いている方向けですが、ざっくりと海外移住を夢見ている方も歓迎です!少し前の話になりますので、私個人のやり方であることをご理解いただき参考にして、ご自身の計画・実行に役立てていただければうれしいです。

また、もうひとつ気にしていただきたいのが、私は自分の経験で海外での就職を成功させたなど立派な経歴はありません。そのため現地就職を目指す方は、実際に現地企業で働いている方の情報も併せて参考にしていただくことをおすすめします。

もう一度デンマーク滞在に挑戦しようと思った30代後半の私

「なぜデンマークなのか?」と疑問に思われた方もいるかもしれません。

詳しくは今後、記事にしたいと思いますが、恥ずかしさを捨てて端的に言うと、かつては「デンマークで、デンマーク人のように暮らす」ことが私の夢でした。特に「デンマーク人のように」という点。もちろん、デンマーク人にはなれません笑。具体的には、現地で働き、アパートを借り、自炊や外食を楽しみ、友人との時間を持つ―日本で普通に生活するような日常をデンマーク版で実現させたかったのです。

ただ、それを実現するのは簡単なことではありませんでした。一時は「現地に友達がいて、旅行や仕事で関わることができれば満足」と思い直した時期もありました。

しかし、コロナ禍によってその考えが変わったのです。

当時、派遣社員として勤めていた職場から正社員のお誘いを受けたものの、巡ってきたデンマークの旅行会社のお手伝いができるチャンスを優先し辞退しました。しかし、コロナの影響でその計画は叶わず、元派遣先の正社員の話に戻ることもできず、改めて職を探すことに。厳しい状況下で新しい職場を見つけられたのはラッキーでしたが、自宅でのリモートワークの時間が増えたことで自分と向き合う時間も増えました。残念なニュースや暗い社会の雰囲気を見ていくうちに

「人生後悔したくない。誰に何と言われようと、やっぱりまたデンマーク生活に挑戦したい。旅行だけじゃ足りない。デンマークがダメでも海外、特に好きなヨーロッパのどこかでの暮らしを実現させたい。これをしないといつか人生の終わりが来たときに後悔する」

と考えるようになったのです。

夢を諦めず行動を続ける友人の姿に背中を押されたのも大きなきっかけです。その友人はコロナ禍でも自身の目標を追い続け、困難な状況を乗り越えていました。その姿を見て、私も「自分の夢に向かって再挑戦しよう」と決意を新たにしたのです。

調べることの大切さ – 夢と現実を近づけるために

「自分で調べなさい。」これは私が学生の頃、よく父に言われていた言葉です。その時から、この言葉はプライベートでも仕事でも私の行動の基盤になっています。当時は少し冷たく感じたこのアドバイスも、今では「自分で調べる力」を育ててくれたと感謝しています。

自分で調べることは、ただ情報を集めるだけでなく、自分の可能性を広げる行動だと私は思います。特に「どうすればデンマークで暮らせるか」という答えを探るためには、自分で情報を収集し、整理し、比較するプロセスが必要でした。

もちろん、経験者の話を聞くことも重要です。ただ、自分で調べた上で質問をするのと、最初から他人任せにするのとでは、得られる情報の質や自分の行動が変わってきます。「まず自分で調べる」ことが、自分の夢に近づくための大きな一歩だと私は考えます。

そして、調べることは誰にでもできると思います。今の時代と、私が初めてデンマーク生活に挑戦した2010年よりも前を比較すると、本当に調べやすくなりました。ただその反面、情報量もとても多い。調べることはできても、調べている間にその量の多さに圧倒されるかもしれません。でも、自分のペースで整理していけばいいのです。これは仕事ではなく、自分の夢に近づくため、自分のための行動です。自分の好きなように期限を決められますよ。目指している夢や目標が、「後悔したくない」と思うところにあるのなら、時間がかかってもきっとできると思うのです。自分の想いばかりではなく、周りの環境やタイミングによっても、かかる時間は変わってきます。それは人それぞれ。自分さえ諦めず、後悔したくないことにフォーカスできていれば、時間が経つにつれ少しずつ自分が行きたいところへ進んでいっていると信じています。

調べたら出てきた可能性

現地で働きながら暮らすには、”residence and work permit” (居住および労働許可) が必要となります。 ワーホリビザが使えない中、思い浮かぶビザは、学生ビザや就労ビザでしょう。その他にも研究職向けのビザなどもあります。どんなビザの種類があるかの詳細は、こちらのサイトから是非ご自身で確認してくださいね。本記事では、私がデンマークでの滞在許可が下りるまでに取った行動を中心にシェアさせていただきます。

You want to apply
You want to apply to visit, live or work in Denmark, or apply for a passport for a foreign national. Special rules apply...

まずは、デンマークで何をしたいかを考えました。私は思考を見える化しやすくするため、よく紙に書き出す作業をしますが、その時もそうでした。そうすると頭の中に散乱している様々なアイデアがまとまってきます。私は「現地に住んで働く」を目標にしました。「働く」といっても、自分でビジネスをするか、会社に雇用されるか、フリーランスでプロジェクト単位で稼ぐかなど種類があるので、どんな形態で働きたいのか自分の考えをクリアにしました。自分でビジネスをすることやフリーランスとして働くのも夢としてありましたが、デンマークの労働環境や同僚同士の関係などを知りたいと思ったので「雇用されること」を第一目標にしました。これまで自分が経験してきた分野や仕事内容で、経験を活かして会社に貢献しつつ、スキルアップしていきたいと思いました。

そこで先ほどの New to Denmark サイトを確認。自分の目標に合ったビザと、その他にどんなビザの種類があってチャレンジできるものはあるか調べました。一番現実的なのは、学生ビザ、次に就労ビザでした。

ただ、そうは言っても、私はこれまで派遣社員としてばかり働いてきましたし、ときどき家族や友人の仕事を手伝うような働きかたをしてきたので、どうやって自分を売り込み、現地採用をしてもらえるか就労ビザ取得の可能性は見出せませんでした。

優先順位をつける – 妥協はしない、決意を固く緩く

スクールリストを作る

結局私は学生としてデンマークまたはデンマークから近いヨーロッパのどこかの国に渡ることを目標としたので、まず現実的な学校をリスト化することにしました。

先にも書きましたが、今の時代は本当に情報があふれていてインターネットで検索するとたくさんの学校が出てきます。昔はこんなに情報を得られませんでした。また私の英語力も乏しく、メインで情報収集していたのは、海外への旅行経験が豊富な方や海外留学経験者による数少ないブログや、書籍などでした。

今は学部などをしぼって調べないと無数にあるので、私は日本で得た学位と合う学校、そして自分の好きや夢と合う学校に焦点を当てました。

日本で得た学位:
・(日本語表記) 商学部経済学科 社会学士
・(英語表記) Bachelor of Economics, Faculty of Economics and Business Administration

自分の好きや夢:
・美術、絵画かイラストレーションの世界

まずは、エクセルに書き出し約40の学校を比較することになりました。以下に実際に私が作成したリストや手書きノートを公開します。自分用なので読者の方々には見づらいかと思いますがご勘弁ください!

学校へ入学できたら英語で授業を受ける予定だったので、このリサーチの段階で英語をメインに使っています。またその方が、学校のHPなどにある実際の情報と一致するので正確な情報を保てます。英語で得た情報を日本語にしてしまうと、本来の情報とズレが生じる可能性があると思います。

エクセルにまとめた情報は次のとおりです。

  • 国および学校がある町
  • 学校の名前
  • 学部、学科
  • 学校のURL
  • 新学期の開始時期
  • 申し込みの締切日
  • 必要な英語のレベル
  • その他の申し込み資格
  • 授業料

さらに絞り込みをする

デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、ドイツ、フランス、スペイン、イギリス、アイルランドなどにある学校がエクセルのリストにあがりました。

学部を絞っても思った以上にあり、また現実的ではない切り捨ての分もでてくるとエクセルとにらめっこしているだけでは混乱してきてしまいました。そこで次に行ったのは、ノートに書き出すこと。そして、語学力はどこまで必要か、同じ語学力を求める学校それぞれの違いは何か、インターンシップ制度はあるか、卒業生はどのような道に進んでいるのかなどもリサーチ、比較、検討しました。

ノートでのリサーチ、比較、検討例その1
ノートでのリサーチ、比較、検討例その2

TOEIC 受験が大嫌いな私は、英語のテストをしばらく受けておらず自分のレベルが分かりませんでした。また、IELTS は TOEIC よりも難しいという話を聞いていましたし、何年も何ヶ月もかけて学校が受け入れるスコアを取るつもりはありませんでした。そこで私がリスト化したほとんどの学校が認めるギリギリのスコア6〜6.5を目指すことにしました。そのため、スコア7以上を受け入れる学校は優先度低くしていました。

当時の私は、英語のハイスコア保持者を受け入れるハイレベルな学校へ行くのが目標ではなく、自分の身の丈にあった学校を目指していたからです。年齢は気にしないようにしていますが、さすが30代後半になってくると「もう何年も勉強ばかりしている時間はない」という思いにも駆られます。勉強の先にあるものや、自分が欲しいものを手に入れた先に何があるのか、その先の何がほしいのか、どう生きていくのかにフォーカスしていました。もちろん未知ですし、思い通りにいくわけではありませんが、学校で勉強することだけを目標にできなかったのです。

ウェビナーに参加する

ウェビナーで質問する用に書いたノート

私がリサーチしていた時はコロナ真っ只中。学校がオープンスクールとして現地で説明会や校内見学の機会を設けるよりもオンラインで行うことも流行っていたようです。私は気になっていたデンマークの大学の社会学部のウェビナーに参加することにしました。

社会学は日本の大学で好きだった領域なのでデンマークで学ぶことにも関心は高かったのですが、通学や、英語話者が学んだ後の現地での就職活動の現状を気にする必要がありました。ウェビナーでメインで説明してくださり、また私の質問に答えてくださった先生はとても素敵な方で「この先生のもとで学びたい!」とも思いましたが、卒業後の進路に悩み帰国せざるを得ない自分が容易に想像できてしまったので、こちらの大学はリストから外すことにしました。想像どおりの現実が起ころうとも、また現地で就職活動に成功という(自分にとっては)ミラクルが起ころうとも、いずれにせよ現地での学生生活は「いい経験になった!」とだけ言って終わりたくなかったので、現実的に判断しました。

目標にしたのはビジネススクール

いろいろな学校を比較して、自分の予算もあわせて検討して、学費を抑えられると聞いたドイツの学校も候補に挙げていました。ただ、本当にドイツに渡って、滞在中にデンマークに遊びにいって、「またデンマークを<旅先>だけにしていいのか?」と疑問を抱くようになりました。

「これを30代最後の海外挑戦とするなら、やっぱりデンマークがいい」

そう思い直したのです。また、

「もしデンマークで現地就職できなくても、ビジネスをもっと学べたら自分で何か始められるかもしれない」

などとも考えたのです。

今振り返るとデンマークが好きなあまり、期待しすぎていた部分はありました。しかし、この夢追い独身女子が、ここまで書いてきたように、できるだけ現実的になり絞り切った学校リストを目の前に「や〜、やっぱり私になんてできないでしょ」や「だめだったらどうする?」や「お金がなくなってまた日本で一からやり直すのかな?」などとばかり考えてはいられないと思いました。コロナの状況も私の背中を押しました。「いつか人生の最期を迎えるときに、病院のベッドで天井をみながら、あぁあそこでやっぱり頑張っておけばよかったな」などと後悔したくないと思ったのです。

そして最終的にデンマークにあるビジネススクールのうち、3つを受験することにしました。

逆算して計画を立て、夢に向けて実行

自分が向かう先がきまったら、あとは締め切りなどから逆算して計画を立てて行動するのみです。

私が当時すべきことは以下のとおりです。

  • 申し込みに必要な書類を集める
  • IELTS の必要スコアを取る+そのための勉強をする
  • 計画的にお金を貯めていける生活ルーティンを立て直す
  • 入学できる学校が決まった場合のスケジュールを立てる
    (航空券の購入、デンマークでの滞在先を見つける、デンマークでどのように貯金を使うか、日本の自宅の退去やそれにともなう公共料金などの手続き関連を確認、自宅の家具やデンマークまで持っていけない物の行き先をどう決めるか考えるなどなど)
  • 職場にどのタイミングで話すか
  • 家族にどう話すか

そして当時、久々に「試験のために」英語を猛勉強しました。オンラインコース Udemy で IELTS のコースを受講し、YouTube でも IELTS 対策を学び、過去問題集を一冊購入し繰り返し解くということに集中しました。私は昔から英語を学ぶのは好きでしたが、「学ぶこと」が好きすぎて様々な英語関連書籍を買ってはいつも中途半端で挫折していました。ですが IELTS 受験は受験料は高いですし、長い受験時間とそもそもテストや試験が大嫌いな私は「一発で必要スコアをとる」と強い思いを持っていました。そのため、教材を浮気することなく最低限に絞って集中して繰り返し勉強しました。おかげでスコアはぎりぎり目標の6.5を初めての IELTS 受験で取得できました。

その他、苦戦したのは必要書類を集めることで、特に高校と大学の修了証明と成績表でした。受験する学校によっては大学だけでいいこともあるかもしれませんが、私の場合は高校の分も必要でした。大学ですら、私が卒業した当時はまだオンラインシステムが確立していなかったこともあり書類集めが大変だったので、高校はもっと大変でした。英語版がないので自分で翻訳して、学校からサインをいただいたりもしました。高校はサインをいただくのに校舎まで行く必要もありました。

なんだか今こうして当時のことを書いていると、いろいろと面倒なことをよくやったなと思いますが、不思議とできてしまうんですね、自分が一生懸命のときというのは。私にできたので、他の方にもできることだと思っています。目標があったら諦めずにそれに向かって進んでいってほしいと思います。でも、大事なのは「自分でよく調べること」そして「計画を立てて実行すること」かなと思います。そして経験者からの経験談やアドバイスが聞けるような人脈があったら/つくれたら、もっといいですよね。

まとめ

今回は、ワーホリ以外でデンマーク滞在を実現させる方法についてお話しました。私は学生ビザを手段にしましたが、ご自身の夢や現状と一緒に、デンマークの移民局のサイトをよく確認してプランを立てていきましょうね。30歳を過ぎていて、ワーホリビザを申請できないからといって何もできないわけではありません。自分の「好き」を諦めずにお互い頑張りましょう。

ちなみに少しシビアな話をすると、ヨーロッパの社会情勢はどんどん厳しい方向へ変わってきています。日本で商業目的やイメージアップ目的に出回っている情報だけに惑わされず、現地や英語での世界ニュースなどをとおして、少しでもいいので現実を見てみることもおすすめします。たとえば「幸福度が世界一の北欧」などという言葉を知って北欧に憧れを抱くようになったとしたら、その言葉だけを文字通りに受け取るのではなく、北欧社会の中身や、各国の違い、現地に住む個人の言葉などをリサーチしてみるということです。どの国にも長所と短所があり、善も悪も混在しています。多様性が語られれば、異なる国籍や文化もその国に混在し状況は複雑化します。そうしたことを滞在をとおして実感、体感したいというのもありだと思います。憧れだけで渡航して失望しないためにも、いろいろなことを調べてから行くと、より充実した滞在生活になるかなと思っています。

デンマーク滞在が決まった際は、ぜひ安全に、健康に暮らしながら、毎日を楽しんで過ごしてくださいね!それでは最後まで読んでくださった方、いつもありがとうございます。また他の記事でお会いしましょう。

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